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冬のミツバチの管理最もミツバチに愛情を注ぐ季節。

冬の群勢を維持する

晩秋が過ぎ、近年は暖冬と報じられながらも、私たちにとってもミツバチにとっても寒さ厳しい季節がやってきました。
皆さんのミツバチは冬を越す準備が出来ていますでしょうか。
群れの数が少なくなっていませんか?貯蜜は十分にありますか?
この時季は年間を通じて最も巣箱のフタを開ける機会が減ります。しかし、ミツバチは寒さでデリケートになっていますのでこまめに気にかけてあげる必要があり、ミツバチに最も愛情を注ぐべき季節とも言えます。

寒さ厳しい冬を越すための最低条件は、秋と同様にミツバチの数の維持です。
女王バチの産卵がほぼ止まり、晩秋に産まれた若いミツバチが細々と群れの命を絶やさぬよう繋いでいくわけですから、ミツバチの数が少ない弱小群では冬を越すことが出来ません。
もしもミツバチの数が減り、弱小群になってしまった場合には複数の弱小群同士を1つの群れにかためるか、強群から虫を抜き出して弱小群に足し、群勢を大きく立て直してください。
この方法を『合同』といいますが、この合同した群れの中には女王バチを一匹にする必要があります。<下図1>
また、合同する際の注意点として、移動させた群れを新聞紙でくるむことをおすすめします。
合同した時に、違う群れ同士が争い女王バチを噛み殺してしまうのを防ぐため、もうひとつは他の場所から移動させた群れのミツバチが元の場所に戻ってしまうのを防ぐためです。

秋の管理と同様に、いくつかの管理のポイントを以下に挙げますので、参考にしてみてください。

防寒対策をする

【1】まずは、移動が可能であれば巣箱を日当たりの良い場所に置くことです。
もしも北風が吹き抜けるような場所であれば、ベニヤ板などで風よけをしてあげてください。

【2】次に巣箱の中です。
まず、ミツバチの数に対して必要のない空巣脾を取り除き、ミツバチが充満している状態で巣脾を麻袋でかまぼこ型に覆ってしまいます。<写真1・2>
麻袋が手に入らない場合は、お米を入れる紙袋(30キロ袋)を代用品として使用すると良いでしょう。
湿気を吸う性質があるので、巣箱内の湿度管理にも役立ちます。
そして、巣箱内に出来た空間にもワラやモミガラを詰め込み、防寒対策をしてください。

【3】最後に、巣箱の外周の処置です。
蜂場が比較的暖かい場所であれば、巣箱を毛布などでくるんだり、ワラで覆ってしまうだけでも効果的です。
万全を期すのであれば、巣箱よりひと回り大きな越冬用の箱を作り、巣箱をすっぽりと包んでしまうと良いでしょう。
この時、ミツバチたちの出入り口である巣門口の部分は開けておくよう注意してください。(約3センチくらい)
そして、越冬箱に巣箱を入れる際に出来る空間にワラやモミガラなどを詰め込んでください。また、地面からの底冷え対策のために、巣箱の下にも十分に詰め込むことも重要です。<写真3>

エサを与えるときのポイント

■ 越冬中のミツバチはエサをたくさん食べる

この時季のミツバチは体温維持のため、かなりの量のエサを消費します。週に一度はエサの減り具合を確認し、秋のうちに巣箱の中の各巣脾に貯め込んでおいた蜜が少なくなった場合は、越冬用に保管しておいた蜜巣脾を1枚ずつ補充します。
蜜巣脾の蜜ブタが硬い場合は、蜜ブタを薄く切り落としてから与えてください。
もし、保管していた蜜巣脾もなくなってしまった場合には、砂糖水を与えてください。この砂糖水の作り方は、水1:砂糖2の割合で混ぜ、沸騰するまで煮詰めます。
沸騰させ煮詰めて作った砂糖水は、冬場でも結晶しにくくなります。

■ エサを与えるときは手早く行うこと

ミツバチにエサを与える時は、なるべく天気の良い暖かい日中に行ってください。エサを与える際、巣箱のフタを開けた時に冷たい外気が巣箱の中に入るのを避けるためと、迷子のミツバチを出さないためです。
蜜巣脾の補充や、温かさの残る砂糖水を与えると、ミツバチたちはどこかで流蜜していると錯覚し、巣門口から次々と飛び出して行きます。
気温の低い日や、夕暮れ近くの時間の場合、飛び出して行ったミツバチたちは迷子になり巣箱に戻れず、外の寒さで凍死してしまうからです。

いくつか管理のポイントを挙げましたが、まとめて言うと
『ミツバチの健康状態をよく観察し、速やかに異常に対処することが大切』
ということです。

次回は、梅の花が咲く頃、『春のミツバチの管理』です。
越冬明けの給餌の方法など、大切なポイントがいくつかあります。
来シーズンも楽しくミツバチの管理が出来るよう、ミツバチとともに冬を乗り切りましょう!

春のミツバチの管理