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養蜂技術支援

春のミツバチの管理ミツバチに活気を与える季節。

梅の花が咲き、少しずつ暖かな日差しになってきました。
養蜂を楽しむ私たちにとって、待ちに待った季節がやってきたのです。
今回は「越冬明けの時季」〜「採蜜の時季」のミツバチの管理方法をお話したいと思います。
越冬明けのミツバチの管理のポイントは、
蜂群の増勢を図ることです。
秋から冬にかけて維持してきたミツバチの群れを、今度は増やしていきましょう。

エサを与えることにより、ミツバチの勢いを増やす

この時季、お彼岸の頃と桜が咲く前の2回、春が来たことを知らせミツバチたちに活気を与えるためにミツバチに砂糖水を与えます。これを奨励給餌(しょうれいきゅうじ)といいますが、ミツバチの育児にはたくさんのエサが必要となるため、もし貯蜜が不足するようであれば、この奨励給餌に加えてエサを与える回数を増やしてください。
さらに、花粉(または代用花粉)を与えれば、ミツバチは活気づき産卵が促進され勢いが増します。
この時に与える砂糖水は、水1:砂糖1.5の割合で溶かして作ってください。
また、盗蜂(とうほう)が起こりやすい時季なので、夕方にエサを与えるようにしましょう。

ミツバチの数が増えたら・・・

この時季になると、徐々に暖かくなりミツバチの数が一気に増えてきます。
ミツバチの数が増えたら巣箱内の一番外側に空の巣脾枠を挿してください。

更に巣箱の中に自然の花粉や花蜜が多く入るころになると、ミツバチたちが盛んに自然巣をつけるようになります。
このような状態になったら、巣礎枠を挿してあげてください。
挿した巣礎枠の内側半分ほどに巣が出来てきたら、反転させ半面にも巣を造らせます。
この時、巣礎枠は1枚ずつ盛らすことが基本であり、2枚重ねて挿すことは避けてください。

強勢群をつくる

前章にもあるように、暖かくなるとミツバチの量が増え巣箱の中の巣脾枠が満群になってきます。
そうなると、いよいよ巣箱の上に継箱を上げる必要が出てきます。
これは、ミツバチの群れを増やすための処置なのですが、この時季はこまめに内検を行いハチの赤ちゃんが巣のフタをやぶって出房する直前に巣箱の上に継箱を乗せてください。【図1】
その際、巣箱から主に有蓋蜂児の巣脾枠を4枚ほど抜き出し、空巣脾枠ではさむようにして継箱に引き上げます。
その後巣箱にも空いたスペースが出来ますので、そこにも空巣脾枠を入れてください。【図2】
そして、必ず砂糖水を十分に与え、継箱のセッティング作業は完了です。
以後、適度にエサを繰り返し与え、強勢群に仕立てます。

■ 分蜂対策

ミツバチの群れの勢いが増し、強勢群に仕上がったあとに注意すべきことは「分蜂」です。
分蜂は群勢の伸びをストップさせることになり、特に採蜜用のミツバチの群れであればせっかく強くなった集蜜力の量を落としてしまうことになります。分蜂を防ぐ対策としては、頻繁に内検をすることにより、巣に王台ができていたら全て取り除くことです。

事前対策として・・・

  • 換気を良くし、温度・湿度を下げる。
    (増勢が進み、巣箱の中がミツバチでいっぱいになると分蜂熱を生じてしまいます。)
  • 群れの一部を王台が造られた巣脾枠ごと分け出し、新たな群れをつくる。
  • 毎年、若い女王バチに更新しておく。

などの方法があります。

ワンポイントアドバイス

■ 巣脾の保管状況チェック

秋の管理ページでも挙げたように、ミツバチの数がだんだん少なくなるため巣箱内の巣脾を整理されたことと思います。
その際使用しなくなった巣脾枠の保管状況を確認してください。
巣脾を保管するための巣箱やビニール袋がネズミにかじられ、そこからスムシの被害を気付かないうちに受けていたというケースがよくあるからです。

そしていよいよ採蜜!!

事前に『掃除採蜜』で昨年末から貯まっている蜜を抜き出したあとに、新たに貯蜜させます。
採蜜は新しい花蜜が入らない早朝のうちに行ってください。
分離器から垂れ落ちる蜜を見ていると作業に夢中になりがちですが、採蜜するのは継箱の蜜巣枠だけにして、下段の巣箱内の蜜はミツバチのために残しておいてください。
あわせて内検も行い、分蜂は必ず未然に防いでください。

次回は引き続き『採蜜時季〜夏の管理』を予定しております。
この季節、皆さんもミツバチとたわむれ楽しい日々をお過ごしください。

夏のミツバチの管理